Italian Navy /イタリア海軍
ご紹介しているモデル
前弩級戦艦:4クラス
弩級戦艦:3クラス
超弩級戦艦:1クラス(未成)
新戦艦:1クラス
Pre-Dreadnought /Semi-Dreadnought Era
言うまでもなく、その主要な行動領域は地中海である。
地中海の中央を制する位置にある半島国家、と言う地政学的な意味合いからも、古来、海軍は非常に重要な役割を与えられてきた。惜しむらくは、長らく統一国家を持たず、組織化された軍隊、と言う概念が陸海問わず育ちにくかったことであろう。
上記は一方で、様々な試みが独自に行われる、と言うことでもあり、その視点に経てば、イタリアはフランスと並んで、試行、試作の宝庫とも言える。
艦船技術についても同様で、様々な試みが散見する。
が、上記の通り「統一意志のもとに」と言う視点が希薄で、わかりやすく言うと個々の造船所レベル、親方レベルでの取り組みとなって、大きな動きになりにくいと言う恨みがあった。
近代戦艦:前弩級戦艦 pre-Dreadnought battleship
Re Umberto-class ironclad - Wikipedia
(1893-, 13673t, 18.5knot, 13.5in *2*2, 3 ships)
イタリア海軍初の近代戦艦である。34.3センチの主砲は、連装露砲塔にまとめられ、簡単なシールドで覆われていた。
イタリア艦の常で、18-20ノットという比較的高速を発揮する。
ボイラー配置に特色があり、3本煙突の外観を有している。
(1901-, 10082t, 18.3knot, 10in *2*2, 2 ships)
10,000トンを少し下回るほどの小ぶりな船体を持った戦艦である。主砲に40口径25.4センチ砲を採用し、これを新設計の連装式砲塔2基に収め前後に配置している。速力は18ノットを発揮する。
各国海軍から、そのバランスの良さから相次いで購入の申し入れのあった装甲巡洋艦ジュゼッペ・カリバルデイ級は、本級を小型化した艦型を基本設計としている。
強化型近代戦艦:準弩級戦艦 semi-Dreadnought battleship
Regina Margherita-class battleship - Wikipedia
(1904-, 13215t, 20knot, 12in *2*2 & 8in *4, 2 ships)
13,000トン級のやや小ぶりな艦体に、主砲には標準的な40 口径30.5センチ砲を前後に連装砲塔形式で搭載し、 中間砲として、45口径20.3センチ速射砲を4基、単装砲で装備した強化型近代戦艦(準弩級戦艦)である。20ノットの速力を有している。
設計の当初段階では、主砲を単装砲2基とし、20.3センチ速射砲を12門搭載する、という設計であったが、設計者で当時の海軍大臣ベネデット・ブリンの死後、上記のような標準的な設計に改められた。ボイラーの配置から、3本煙突の外観を有している。
レジナ・エレナ級戦艦 - Wikipedia (同型4隻:1907-)
Regina Elena-class battleship - Wikipedia
(1907-, 13807t, 22knot, 12in *2 &8in *2*6, 4 ships)
前級の設計途上で個人となったベネデット・ブリンの設計を具現化した強化型近代戦艦(準弩級戦艦)である。主砲は、30.5センチ砲を単装でそれぞれ艦の前後に配置し、中間砲として20.3センチ砲を連装砲塔 6基に収め、都合12門とした。 防御にも配慮改善が見られ、速力は22ノットの優速を発揮した。
Dreadnought /Super-Dreadnought Era (around WW I)
開戦時には弩級戦艦3隻を保有し、3隻が建造中であった。大戦中に超弩級戦艦の保有を計画したが、未成に終わった。
弩級戦艦 Dreadnought battleship
Italian battleship Dante Alighieri - Wikipedia
(1913-, 19,500t, 23knot, 12in *3*4) (135mm in 1:1250)
イタリア海軍初の弩級戦艦。実験艦的な性格が強く、主砲を世界初の三連装砲塔に搭載、機関にタービンを採用し当時の最高速戦艦となるなど、 意欲的な設計であった。
Conte di Cavour-class battleship - Wikipedia
(1915-, 23,100t, 21.5knot, 12in *3*3+ 12in *2*2, 3ships) (140mm in 1:1250)
前級の主砲塔配置を見直し、首尾線方向の射線を強化した。三連装砲塔3基と連装砲塔2基、計13門という主砲数は、カトリックの本家ではやや物議を醸したとか・・・。
フランス海軍が建造したダンケルク級高速戦艦への対抗上から、イタリア海軍は1915年建造の弩級戦艦コンテ・ディ・カブール級、およびその改良型であるアンドレア・ドリア級の各2隻を大改装した。
両級とも、その改装は徹底したもので、主砲をボーリングにより30センチから32センチに大口径化し、一方で21.5ノットから28ノットへの高速化のための機関増設のスペース確保のために3番砲塔を撤去した。さらに副砲の砲塔化、対空兵装の強化などを行なった。さらに艦種構造の延長、密閉式艦橋の導入など、艦型も原型をほぼ留めぬほど手を入れられ、直下の写真のように新造戦艦といっても良いほどに異なる外観を得た。
(直上の写真:原形を留めぬほどの改装:上段、改装前、下段、改装後)
(改装前:23,100t, 21.5knot, 12in *3*3+ 12in *2*2, 3ships) (140mm in 1:1250 by Navis)
(1937- 改装後:28,800t, 28knot, 12.6in *3*2+ 12.6in *2*2, 2ships) (150mm in 1:1250 by Neptune)
Andrea Doria-class battleship - Wikipedia
(1915-, 23,000t, 21knot, 12in *3*3+12in *2*2, 2 ships) (140mm in 1:1250)
前級の基本設計を引き継ぎ、副砲を15.2センチ砲に強化した。
アンドレア・ドリア級も、上記のコンテ・ディ・カブール級戦艦同様、仏海軍の新戦艦ダンケルク級への対抗上から、大改装を施された。
(直上の写真:上段、改装前、下段、改装後)
(改装前: 23,000t, 21knot, 12in *3*3+12in *2*2, 2 ships) (140mm in 1:1250 by Navis)
(1940- 改装後:28,882t, 28knot, 12.6in *3*2+12.6in *2*2, 2 ships) (150mm in 1:1250 by Neptune)
超弩級戦艦(未成艦のみ) Super-Dreadnought battleship
Francesco Caracciolo-class battleship - Wikipedia (projected)
(projected, 34,000t, 28knot, 15in *2*4, 4 ships planned) (167mm in 1:1250)
イタリア初の超弩級戦艦として計画された。38センチ主砲をオーソドックスに連装砲塔4基に搭載し、34,000トンの巨体に強力なタービンを搭載し、28ノットを発揮する高速艦を目指した。
新戦艦の時代
新戦艦時代の幕開けともいうべきフランス海軍のダンケルク級の建造に刺激され、第一次大戦時の弩級戦艦の大改装によって陣容を整えようとしたイタリア海軍であったが、早急な新型戦艦の開発が急がれた。
主砲として採用された15インチ砲は50口径の長砲身砲で、高初速を誇り16インチ砲にも劣らない威力を発揮した。副砲にも高初速の55口径の6インチ砲が採用され、これを3連装砲塔4基に収めた。対空火器としては9センチ高角砲をシールド付きの単装砲で12基装備していた。
4軸推進を採用し30ノットの速力を発揮した。
攻撃力と機動力を備えたバランスの良い艦であったが、一点難を挙げるとすれば、航続距離の短さが挙げられねばならないであろう。これは活動海域を地中海と想定したことからくるもので、その想定内では特に重大な問題にはならなかったであろう。
(1940-, 41,377t, 30 knot, 15in *3*3, 3 ships, 192mm in 1:1250 by Neptune)
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