3D printing model 雑感のまとめ
新着3Dプリンティングモデル
1:1250スケールの3Dプリンティングモデルがいくつか到着しました。今回は雑感を少々。
今回、入手したモデルは、直下の写真、奥から
中国海軍 052D級駆逐艦 Kunming class(昆明級)
中国海軍 054A級フリゲート Youncheng class
の順です。
(直下の写真では、「あすか」のみ下地塗装済み、その他はサーフェサー塗布の状態です)
これらはいずれも幕之内弁当三次元造形さんと言う日本の方の作品で、筆者はいつも利用している(おそらく)世界最大の3D プリンティングモデル出力会社 Shapewaysから入手しました。
幕之内弁当三次元造形さんは、東京都大井町駅近くにある「軍事選書堂」さんでもモデルを販売していらっしゃるらしいのですが、筆者はまだお店を訪れたことがありません。あわせてオリジナルブランドのDesktop Fleetは1:2000スケールに重点が置いてあるらしく、1:1250のモデルは一部に限られているようです。
それぞれのモデルの詳細は、また完成後にご覧いただくとして、今回は概略のみ。
実はこのモデルを入手したのは2回目です。1回目の入手モデルは、実は当ブログでご紹介したイージス護衛艦「いそかぜ」三態のうち、「亡国のイージス」小説版の第一形態「いそかぜ」の艦橋上部に追加された「イージスシステムドーム」に転用されました。
(艦橋上部に追加搭載されたイージスシステムドーム)
今回のモデルはフライトIIIですので、現時点では最終形のヘリコプター搭載モデルです。
中国海軍 052D級駆逐艦 Kunming class(昆明級)
Type 052D destroyer - Wikipedia
このクラスについては、前々回の「中国海軍現用艦」の回で、一度ご紹介しています。
その際にご紹介したモデルは下記の通 Amatuer Wargame Figures製のものでした。
(124mm in 1:1250 Amatuer Wargame Figures製:3D printing model)
中国海軍 054A級フリゲート Youncheng class
このクラスについては、前々回の「中国海軍現用艦」の回で一度ご紹介しています。
その際にご紹介したモデルは下記の通 Amatuer Wargame Figures製のものでした。
(108mm in 1:1250 Amatuer Wargame Figures製:3D printing model)
054(江凱)級フリゲート:Jiangkai-class frigate 同型艦:30隻
3D Printing Modelの出力素材(今回の話の目玉はこちらかも?)
実は、今回入手した幕之内弁当三次元造形さんのモデルは、全て、 Smooth Fine Detail Plasticという素材で出力されており、大変シャープなディテイルが再現されています。
前々回「中国海軍 現用艦」の際のご紹介したAmature Wargame Figures製のモデルは、White Natural Versataile Plasticと言う素材で、ややディテイルに甘さが残りますが、その分安価、と言う特徴があります。価格差は、例えば前出の「052D級(昆明級)駆逐艦」の場合、Amature Wargame Figuresさん(あるいは価格設定はShapewaysが行っているのかもしれませんが)が設定している価格は、White Natural Versataile Plasticの場合$11.27であるのに対し、 Smooth Fine Detail Plasticの場合には$20.81で、筆者のようにコレクション目的で数を揃えようとする場合には、この価格差は結構大きなものになります。
同一モデルの場合の出力例をご参考まで、以下に示しておきます。
下の写真は、Amature Wargame Figures製の海上自衛隊「たかつき」級護衛艦のモデルを、White Natural Versataile Plastic(奥)と Smooth Fine Detail Plastic(手前)の二種類の素材で出力してもらった例です。
「たかつき」級護衛艦:White Natural Versataile Plasticで出力した例
「たかつき」級護衛艦:Smooth Fine Detail Plasticで出力した例
このモデルなら、White Natural Versataile Plasticで十分だとは思いませんか?
しかし、下の写真ほどのディテイルを再現しているモデルならば、Smooth Fine Detail Plasticで出力してみたい
(参考:下の写真は、Amatuer Wargame Figures製 White Natural Versataile Plastic出力のモデル
これは両者を比べてみるしかないでしょう!
3D Printing 出力素材比較:仕上がり以外にも検討すべき点があるかも?
もう一点、素材選びの際に比較的重要なポイントがあります。実は前出の「たかつき」級護衛艦のモデルストックは、すでに「たかつき」級の護衛艦の模型はHai社製のものがありましたので、いずれは加工して架空艦を作成する際の素材として入手したものです。その際には切ったり、削ったりが必要になるのですが、加工の種類によっては、White Natural Versataile Plasticの方が粘性が強く、切断等の作業には適性が高いかもしれません。一方で、Smooth Fine Detail Plasticは、硬度が高く、研磨等の作業には適性が高いかもしれません。もちろん作業者の得手不得手も吟味して、選択して頂ければと考えます。つまり、高ければいい(基本はそうなのだけれど)、と言うわけではない、と言うことです。
と、まあ、素材選びも楽しいですよ、と言う事が言いたいだけなのですが・・・。
中国現用艦の仕上がりは?
3Dの素材選びのおさらいから。
簡単にまとめると、White Natural Versatlie Plastic (ちょっと長いので、以降はWNVと略して良いでしょうか?他所では通用しないと思うので、ご注意を)は、やや仕上がりが荒いが、価格が安い。一方、Smooth Fine Detail Plastic(同様にSFD。これも他所では通用しませんよ)は、細部の再現性が高いがやや価格が高い。さてどっちを選ぼうか、と言うような課題を積み残し、「これは作って比べてみるしかないでしょう!」なんて大見え切ってしまいました(ちょっと後悔)。
と言うわけで、今回はその続きを。
(こういう話は、読んでて面白いのかな、と首を傾げつつ)
中国海軍 052D級駆逐艦 Kunming class(昆明級)
このクラスについては、前々回の「中国海軍現用艦」の回で、一度ご紹介しています。その際にご紹介したモデルはAmatuer Wargame Figures製のものでした。
(124mm in 1:1250 Amatuer Wargame Figures製:3D printing model)
下の写真が、今回新たに入手した幕之内弁当三次元造形の昆明級モデルを、サーフェイサーで下地処理した段階のものです。
同級について、その特徴を再録しておきましょう。
***現状では中国海軍の主力艦隊防空艦である。中国版イージスと呼称される。現在19隻が就役しており、最終的には同級の建造数は22隻に達する予定であるとされている。
NATOのコードネームは「旅洋Ⅲ」。7500t、30ノット。
同級では、これまでの中国海軍の(ロシア海軍の、というべきか?)特徴的なリボルバー式VLSではなく、米海軍や海上自衛隊と同じようなキャニスター式のVLSを採用している。(装填等が同じ方式かどうかは不明である)
このVLS64セルにHHQ-9対空ミサイルと、YJ-18対艦ミサイルで共用していると思われる。このVLSは対潜ミサイル、巡航ミサイルにも対応している、と言われている、
搭載するフューズド・アレイ・レーダーは改良型のドラゴン・アイに変更された。
主要武装は、主砲を130mm単装速射砲を装備し、近接防御用に30mm CIWSとHHQ-10近接防空ミサイルを保有している。
対潜装備としてはヘリコプター1機を搭載し、短魚雷発射管を装備している。***
Type 052D destroyer - Wikipedia
そしてこちらが、今回入手したSFD素材の幕之内弁当三次元造形製「昆明級」モデルを仕上げたものです。艦橋の窓、艦首部のブルワーク内側の再現、艦尾のヘリコプターハンガー部の再現など、SFDと言う素材による、と言うべきか、製作者のデザインに準じる差異と言うべきか、非常にディテイルの再現されたモデルとなっています。
早速、WNVモデル(写真上段:Amatuer Wargame Figures製)とSFDモデル(写真下段:幕之内弁当三次元造形を比べてみます。塗装等は同じカラーを基本的に用いています。
やはりSFDモデルにシャープでの優位が認められます。特に本級の特徴である艦中央部の八木アンテナがコンパクトに再現されるなど、その特徴が顕著に現れているように思います。
こちらWNVモデル(写真上段:Amatuer Wargame Figures製)とSFDモデル(写真下段:幕之内弁当三次元造形製)の比較。八木アンテナ、小さい!VLSの細部再現も。
中国海軍 054A級フリゲート Youncheng class
このクラスについても、前出の本稿前々回「中国海軍現用艦」の回で、一度ご紹介しています。その際にご紹介したモデルは、やはりAmatuer Wargame Figures製のものでした。
(108mm in 1:1250 Amatuer Wargame Figures製:3D printing model)
本級の特徴を再録しておきましょう。
***外洋進出を目指す中国海軍の中核的な存在となるべく、艦型を一気に大型化し、これまでのフリゲートとは一線を画する高い航洋性を有している。
NATOのコードネームは「江凱」。3400t、27ノット。
西側諸国の技術を導入し、ステルス性を意識した艦容となった。
VLSに搭載した対空ミサイル、対潜ミサイルで高い対空・対潜戦闘力を保有し、YJ-83対艦ミサイル4連装ランチャー2基で対艦戦闘能力も確保した。他に対潜ロケット、短魚雷発射管、対潜ヘリ等、対潜兵装も充実した、汎用フリゲートとして一定の完成度に達している。***
054(江凱)級フリゲート:Jiangkai-class frigate 同型艦:30隻
そしてこちらも、下の写真が、今回新たに入手した幕之内弁当三次元造形の054級モデルを、サーフェイサーで下地処理した段階のものです。
そしてこちらが、今回入手したSFD素材の幕之内弁当三次元造形製「054級」モデルを仕上げたものです。やはり艦橋の窓、艦尾のヘリコプターハンガー部の再現など、前出の「昆明級」同様、ディテイルの再現されたモデルとなっています。
ここでも、SFDモデル(写真上段:幕之内弁当三次元造形製)とWNVモデル(写真下段:Amatuer Wargame Figures製)と比べてみます。塗装等は同じカラーを基本的に用いています。
こちらは「昆明級」以上にSFDモデルの再現性の高さが見て頂けるのではないでしょうか?
特にアンテナの細部の再現は、SFDが圧倒的に優位だと思います。
さらに、実は写真では少しお伝えしきれないと思うのですが、手に持った際の感触が、WNV製の場合には、どうしても「ざらざら」、と言うか、表面の滑らかさにはSFDとの間で大きな差を感じてしまいます。
と言うことで、これはある意味予想通りで、ある種つまらない結論ではありますが、SFDの方がシャープさがあり仕上がりの満足度は明らかに上回ります。
もう一つ、幕之内弁当三次元造形製品の原型がSFD指定で、したがってSFDとの相性がいい、と言うこともあると思います。
あとはお財布の中身とよく相談をして、コレクション重視(つまり数を揃えたい)か、モデラー視点の重視(つまり仕上がりが気になる)か、で都度選択していかねばならない、と言うことになるのでしょうね。どうでしょうね、Amature Wargame Figures製のWNVモデルが$11.27、同社のSFDモデルは$20.81。あくまで筆者の主観として、Amature Wargame Figures の原型の場合は、あえてSDFを選択しなくとも、十分だと思っています。
これに対し幕之内弁当三次元造形のSFDモデルが$43.6ですからね。これは難しい判断、と言うことになると思います。コレクションにおけるそのクラスの重要さ、と言うか、どこまでそのクラスに思い入れがあるか、その辺りでの判断になりそうです。
本稿で扱っている1:1250スケールの場合、特に上記のバランスが微妙なのかもしれません(例えば筆者はどちらかと言うと前者=コレクション重視の傾向が強く、数をそろえたい派であるように思います。まあ、モデラーとしてのスキルも低いのですが)。
もしかすると、もう少し大きなスケールの場合(1:700など)には、あまり迷う余地はないのかもしれません。
それにしても、3Dプリンティングモデルの登場で、選択肢が非常に広がったことは大変嬉しい事実だと感じています。
データのみの販売も行われていますので、自前の3Dプリンターを購入して、と言う選択肢まで入れれば・・・。ああ、何か大きなものの蓋が開いてしまったような。(困ったようなふりをして、実はもちろん楽しんでいますよ)
たかつき級護衛艦の製作・架空艦への派生
本稿では3Dプリンティングモデルの2種類の素材例として、Amature Wargame Figures製の海上自衛隊「たかつき」級護衛艦を紹介しました。
下の写真は、Amature Wargame Figures製の海上自衛隊「たかつき」級護衛艦のモデルを、White Natural Versataile Plastic :WNV(奥)と Smooth Fine Detail Plastic :SFD(手前)の二種類の素材で出力してもらった例です。
White Natural Versataile Plastic:WNVで出力した例
Smooth Fine Detail Plastic:SFDで出力した例
取り上げた二つの素材、White Natural Versataile Plastic:WNVと Smooth Fine Detail Plastic:SFDの仕上がりの優劣については、「雑感のその2」で中国艦を例としてご説明しました。
その中で、仕上がり以外の素材選びのポイントとして、加工素材としての適性を合わせてご紹介しました。
(「たかつき」級護衛艦のモデルストックは、すでに「たかつき」級の護衛艦の模型はHai社製のものがありましたので、いずれは加工して架空艦を作成する際の素材として入手したものです。その際には切ったり、削ったりが必要になるのですが、加工の種類によっては、White Natural Versataile Plasticの方が粘性が強く、切断等の作業には適性が高いかもしれません。一方で、Smooth Fine Detail Plasticは、硬度が高く、研磨等の作業には適性が高いかもしれません。)
なんて書いちゃったものだから、気になって、結局、前々回以降、チマチマと工作して、とりあえずストックしていた4隻(実際にはFRAM改装後のモデルとして、1隻は製作済みだったので残りの3隻)を仕上げちゃった、と言うのが、今回のお題です。
それぞれのモデルはそれぞれこちら(↓)でお求めになれます。
Takatsuki-class destroyer, 1/1250 (PCPXYBRAY) by Nomadier
Takatsuki-class destroyer (1985), 1/1250 (ABVAWV8VA) by Nomadier
たかつき級護衛艦については、すでに本稿でご紹介済みですので、気になる方はそちらを読んでみてください。
一応、さらっと要点のみ再録しておきます。
Takatsuki-class destroyer - Wikipedia
第2次防衛力整備計画で、前出の「やまぐも級」護衛艦で既述の通り、「やまぐも級」とのハイ・ロー・ミックス構成の構想の下、有力な対空・対潜戦闘能力を持つ多目的護衛艦(DDA)として4隻が建造された。
(106mm in 1:1250 Hai製モデルをベースに主砲塔のみSNAFU store製のWeapopn setに換装)
船型は海自標準となってきた感のある遮浪甲板型を採用し、主機には蒸気タービンを搭載し、32ノットの速力を得た。
Mk42 54口径5インチ単装速射砲2基で広範囲の対空戦闘力を保持し、加えてボフォース対戦ロケットランチャーとアスロック、対戦短魚雷、さらにはDASH無人対潜攻撃ヘリコプター搭載、と非常に充実した対潜戦闘能力を誇る有力な護衛艦であった。
FRAM改装
上述のように、本級は非常に有力な戦力であったが、ミサイル化の流れの中で装備には陳腐化が目立つようになった。一方で、急速な新戦力整備にも限界があるため、FRAM(艦隊再建近代化計画)の名の下に、同級の「たかつき」「きくづき」に対して大規模な改装が行われ、当時新鋭のはつゆき級と同等の戦力化が目論まれた。具体的な内容としては、艦尾部の5インチ砲、これも艦尾部にスペースを取っていたDASH関連装備を撤去し、短SAM(シースパロー)、ハープーン艦対艦ミサイル、20mmCIWS、および種々の電子装備の換装、追加などが行われ、8年程度の艦齢延長を目指した。
(直下はFRAM改装後のたかつき級。Amature Wargame Figuresの3Dモデルをベースに、武装をSNAFU store製のWeapopn setから転用)
(FRAM改装前後のたかつき級を比較。奥がFRAM改装後。改装前のたかつき級は艦尾部に大きなDASH運用スペースが取られている事がよくわかる)
と言うことで、上記の写真ではHai社製のダイキャストモデルと、FRAM改装後のモデルとしてSFD素材の3Dプリンティングモデルを登場させていたために、手元には竣工時のモデル2つ(WNV素材とSFD素材:下の写真)と、FRAM改装後のWNV素材モデル(さらにその下の写真)の3隻が手元にはあり、さて、これをどんな風に仕上げて行こうか、と言うわけです。
「たかつき」級護衛艦は全部で4隻建造されており、一番艦から順に「たかつき」「きくづき」「もちづき」「ながつき」と命名されています。そのうち建造年次の古い「たかつき」「きくづき」は、後にFRAM改装を受けて艦齢延長が図られます。
と言うことで、まずはFRAM改装後のモデルをもう一隻。
少しディテイルアップを図るために、WNV素材モデルのいくつかのパーツを切断。艦前部から順に、主砲塔、アスロックランチャー、前部マスト、CIWS、シースパロー発射機、これらを一旦切断し、Ftoys製の現用艦船コレクションから、各パーツを転用し、ペタペタと貼っていきます。
こう言う比較的大掛かりなパーツの撤去と置き換えには、粘性の強いWNVは安心して切断などできるので、適性が高いかもしれません。この後、サッと下地塗装をして、仕上げ塗装を行います。
竣工時の状態のモデル(FRAM改装を受けない状態)をもう一隻。
下の写真は、上述のFRAM改装モデルと同じように、WNV素材のモデルから主要兵装のパーツ(主砲塔2基とアスロックランチャー)と、マスト上部等をFtoys製のパーツに置き換えた後、さっと下地処理を済ませた状態。艦中央に白いパーツが見えるのは、短魚雷発射管をロッドで作成したものです。
こうして、「たかつき」級護衛艦の勢揃い。
写真上部:FRAM改装後の「たかつき」級護衛艦(奥:たかつき・注!!!本来は「たかつき」はFRAM改装後もCIWSは未装備だったのですが、ここでは一応装備したことにしてあります。手前:きくづき)写真下部:就役時の「たかつき」級護衛艦(奥:もちづき、手前:ながつき)
架空艦の製作へ
さて、SFD素材の竣工時モデルがもう1隻残ったけど、どうしよう?
そうだ、そもそも、このモデルストックは「いずれは加工して架空艦を作成する際の素材として入手したものです」と書いてたんじゃないか。
と言うことで、ちょっと頭の中をゴソゴソ。
そう言えば、海上自衛隊初のDDG「あまつかぜ」の就役が 1965年。第二世代DDGの「たちかぜ」級の就役が1976年。この間、「あまつかぜ」は唯一のDDGであったわけで、ターター・システムの複数艦での運用データを得るためにも、この空白を埋めるために、1967年から就役の始まった「たかつき」級の1隻が早々にDDGへ改装・転用された、と言うカバーストーリーがなんとなくいい感じなのでは?
DDG「もちづき」の制作
こうして、DDG「もちづき」の誕生です。
SFD素材の竣工時モデルのいくつかのパーツを撤去。撤去部分は、艦首から前部主砲、アスロック・ランチャー、前部マスト上部、後部煙突上部、後部上部構造物、後部主砲。
換装、もしくは追加したパーツ:前部主砲(Ftoys)、アスロック・ランチャー(Ftoiys)、前部マスト上部(Ftoiys:「しらね」前部マストを転用)、短魚雷発射管(ロッドより製作)、ハープーン・ランチャーを追加(Ftoys)、後部煙突上部(Ftoiys:「しらね」後部煙突上部を転用)、ボートを両舷に追加(Ftoys)、イルミネーター2基を追加(Ftoys「しまかぜ」より転用)、Mk13対空ミサイル・ランチャーを追加(Ftoys「しまかぜ」より転用)、CIWSを追加(Ftoys)
下の写真は、上記の作業後、下地処理を経てざっと塗装をしてみたものです。艦中央部の白いパーツは、ロッドで製作した短魚雷発射管です。
少し制作の裏話を。
当初、艦後部のイルミネーターの後方に2番主砲を残していたのですが、Mk13ミサイル発射機とCIWSをその後ろに追加すると、2基のイルミネーターの配置に余裕がなく、併せてあまりにも艦後部が荷重になるように思われ、2番主砲の設置を断念しました。
その上で、少しイルミネーターの間隔に余裕を持たせ、Mk13対空ミサイル発射機をDASH無人対潜攻撃ヘリコプター格納庫上に設置、DASHの運用甲板であった後甲板にCIWSを設置、と言う配置にしました。CIWSの射界を広く持たせるためにはMk13とCIWSの配置を逆に、とも考えたのですが、Mk13の下に収納されるミサイル弾庫を考慮すると、この順序が良いのではないかと言う結論です。なんとなく、DASHの格納庫をそのままに、と言う状況も活かせたような気もしています。
直下の写真:DDG改装後の「もちづき」
直下の写真:僚艦「あまつかぜ」と共に。
上記のカバーストーリーでは、DDG「もちづき」は「あまつかぜ」と組んで活躍することになります。
直下の写真:そしてやがては第二世代DDGの「たちかぜ」級と共に行動する機会もあるかもしれませんね。
さて、どちらのクラスと護衛隊を組んでも、いくつもカバーストーリーが書けそうな・・・。
「たちかぜ」級護衛艦の製作
Amature Wargame Figures製の「たちかぜ」級DDGモデルが、WNV素材で一点、SDF素材で二点、到着しましたので、素材つながりで、ご紹介します。
「たちかぜ」級護衛艦については、「海上自衛隊 護衛艦発達史(3) 護衛隊群の整備・ DDHの登場」の回でご紹介しました。
Amature Wargame Figuresの「たちかぜ」級
本稿内ではHai製のダイキャスト製のモデルをご紹介しましたが、Amature Wargame Figures製のWhite Natural Versataile Plastic :WNV素材のモデル一点と、 Smooth Fine Detail Plastic :SFD素材のモデル二点を入手しました。
下の写真は、SFDモデル。
全体としては、Amature Wargame Figures製の標準的な仕上がりで、最初は細かい武装パーツとマストの交換で仕上げていこうと考えていました。
しかし、よく見ると、あれれ、ちょっと艦橋が大きいぞ。と、気になっちゃいました。
やれやれ、少し大ごとになる予感。
と言うことで、ゴリゴリとクラフトのこぎりで艦橋他の上部構造を撤去します。
あらら、すっきりしちゃいました。(実は、艦首部のナックルがあるのか無いのか、要ははっきりしないなど、さらに気になるところがいくつか。 でも、まあ今回はこれで進めましょう)
WNV素材のモデルで、「さわかぜ」を制作
上記のSFD素材モデル同様、 上部構造物をF-toys製やSNAFU store製のパーツに交換していきます。
ディテイルアップ箇所:艦首部から主砲、アスロック・ランチャーをF-toys製のストック部品に交換。
艦橋をF-toys「しまかぜ」の艦橋部に交換。:「さわかぜ」は「たちかぜ」級DDGの3番艦ですが、この艦からアスロックは艦橋基部から自動装填される機構を搭載しています。「しまかぜ」も同様の機構を搭載しているので、これをそっくり転用しました。
艦橋の上部のマックはF-toys製「しらね」のものを少し手を入れて転用。「しまかぜ」の艦橋では、少し長さが足りないので、少し長さを延長加工しています。
後部のマック上部も同様に「しらね」のものを転用。マック後方のイルミネータは「しまかぜ」から移植。後部主砲とCIWSはF-toys製、艦尾のMk 13はSNAFU store製のものを、それぞれ換装しました。
サーフェサーで下地処理をして、あとは仕上げのみの状態。
SFD素材のモデル2点をディテイルアップ開始
下の写真は、「たちかぜ」級DDGの2番艦「あさかぜ」の制作。
ほぼ、前述の3番艦「さわかぜ」と同様のディテイルアップの予定ですが、これも前述のように2番艦「あさかぜ」は、アスロックに自動装填装置を装備しておらず、艦橋前部の基部には装填用のハッチ等はありませんので、転用したF-toys製の「しまかぜ」の艦橋部分から、そのモールドを削ってあります。
艦尾部には、SNAFU store製Mk 13を搭載しました。
そしてSDF素材モデルのもう一隻は、「しまかぜ」の艦橋をそのまま転用します。つまり、アスロックは自動装填装置付き、と言うことです。「たちかぜ」級DDGの4番艦。
あれれ、架空艦、ですね。「おお、あれか?」と心当たりのある方は、相当のマニアかと。
もったいつけるわけではないのですが、この艦がどのようなカバーストーリーを持つのかは、次回、完成時にご紹介します。
「たちかぜ」級護衛艦の完成
3Dプリンティングモデルを用いた「たちかぜ」級DDG護衛艦の 完成編です。
「たちかぜ」級DDGの製作
少し繰り返しになるかもしれませんが、おさらいをしておくと、昨年末の前回は、入手したAmature Wargame Figures製のWhite Natural Versataile Plastic :WNV素材の「たちかぜ」級DDGのモデル一点と、 Smooth Fine Detail Plastic :SFD素材の同級のモデル二点を用いて、「たちかぜ」級3隻(「たちかぜ」「あさかぜ」「さわかぜ」)を完成してみよう、と言うものでした。
その際に、元々、入手したAmature Wargame Figures製のモデルをベースにして、武装やマスト、アンテナ関係はストックの部品を用いてディテイルアップする予定だったのですが、艦橋が少し大きすぎることが気になり、艦橋部分も換装するなど、結構広い範囲で手を入れる結果になりました。(この辺りは前回ご紹介しています)
ディテイルアップの大まかな流れは、ほぼ以下の通りです。
(直下の写真:入手したAmature Wargame Figures製のSFD素材のモデル。この他にSFD素材のモデルも一点あり、これも併せて今回仕上げることに)
(艦橋部分等の除去:使用したのは、ほとんで船体だけ・・・)
(F ~toyの「しまかぜ」級DDGから艦橋部分を移植。サーフェサーで下地処理)
(直下の写真:Amature Wargame Figures製のWNV素材のモデルをベースに、上部構造及び武装を換装してディテイルアップ/SFD素材モデルもほぼ同様のディテイルアップを行っています)
ちなみに、たちかぜ」級護衛艦の概要については、本稿、下記でご紹介しています。
「たちかぜ」級DDGの完成
さて、ここからが今回のお話です。
「たちかぜ」(DDG-168)
(直下の写真:DDG-168:たちかぜ Hai製のダイキャストモデル)
Hai製のダイキャストモデルです。本艦はもともとコレクションにあった船で、今回は艦番号をつけました。作業としてはデカール を貼り、上からマットコーティングするだけですが、これが大変小さいので、老眼の進む(とほほ)筆者には作業自体が結構大変です。(字も小さくてみにくいし、貼る対象も、そもそもが1:1250モデルの船ですので、これまた小さい。
さらに言うと、このスケールのデカール を入手するのはこれまた結構大変で、そもそも市販等のものが出回っていません。一時期は自作等も考えたのですが、これも自宅の環境では限界があり(白線が家庭用のプリンターでは再現できません)、結局、下のリンクの1:1250 Decaleに制作を依頼したものを使っています。
こちらの業者さんは、おそらくは趣味の延長でやっていらっしゃって、時折、模型ショーのようなところに出展する、と言う感じの活動を行っていらっしゃるようで、先方のペースで依頼対応等、なさいます。ですので、欲しい時に発注してすぐに手に入る、と言うわけにはいきません。「もうちょっとまとまったら、一緒にやるから、ちょっと待っててね」と言うようなメッセージが、オーダーに対して帰ってきます。まあ、こう言うのもやり取りも、楽しい驚きがある、と言えばそうなのですが、どのタイミングでお願いするか、など、結構難しい。
「あさかぜ」(DDG-169)
(直下の写真:DDG-169:あさかぜ Amature Wargame Figures製 SFD素材モデル)
「あさかぜ」は、ほぼ「たちかぜ」に準じる形で作成します。前回も準備で触れましたが、「たちかぜ」は艦橋前のアスロックに自動装填機構が未装備で、したがって、今回換装用の艦橋として準備したF-toys製の「しまかぜ」の艦橋はそのまま使えませんので、一旦、艦橋基部の自動装填機構用のハッチ等のモールドを削り、パテで埋め形を整えたものを船体に装着し、仕上げてあります。
最後に艦番号169を貼り付けて、出来上がり。
(直下の写真:準備段階で「しまかぜ」の艦橋基部のオールドを削り、アスロック装填用のクレーンを艦橋前部に追加)
「さわかぜ」(DDG-170)
(直下の写真:DDG-170:さわかぜ Amature Wargame Figures製 SFD素材モデル)
「さわかぜ」から 、アスロックの自動装填機構が搭載されました。ですので、こちらは「しまかぜ」の艦橋をそのまま拝借。ややアスロック・ランチャーを、艦橋寄りの位置に近づけて配置します。艦番号「170」を貼付。
さて、手持ちのAmature Wargame Figuresの「たちかぜ」級モデルのうち、SFD素材の2点は、こうして「あさかぜ」「さわかぜ」になりましたが、もう一点WNV素材のモデルが残っています。
「たちかぜ」級の4番艦、と言うことになりますが、実際には「たちかぜ」級は3隻しか建造されていないので、いわゆる架空艦を制作することにします。
本稿で、以前、架空の護衛艦「いそかぜ」(DDG-183)について述べたことがあります。
「いそかぜ」と言う護衛艦は実在しないのですが、一方で、「亡国のイージス」(小説版・映画版)あるいは「空母いぶき」(映画版)で活躍する「有名な護衛艦」なのです、と言うのが、この回の主題だったのですが、この「亡国のイージス」に登場する「いそかぜ」の第65護衛隊を構成する僚艦が「うらかぜ」として登場します。
本稿の上記URLでも、ほんの少しだけ「うらかぜ」について触れているのですが、その際には、私の勉強不足から、てっきり「うらかぜ」は「いそかぜ」と同様、「はたかぜ」級DDGなのだと決め付けていました。
しかし、その後、原作等を読み返すと、「隊司令の衣笠一佐が、あえて旧型の第二世代ミサイル護衛艦「うらかぜ」を座乗艦に選んだのも・・」と言う記述があるではないですか。
ありゃリャ、これは「たちかぜ」級だぞ。と言うわけで、残った一隻は「うらかぜ」として制作することに・・・。
「うらかぜ」(DDG-162):架空護衛艦
(直下の写真:DDG-162: うらかぜ Amature Wargame Figures製 WNV素材モデル。写真を下記のようにアップにすると、やはりWNV素材の仕上がりの荒さが気になりますね。肉眼で見ている分には、それほど気にならないのですが)
細部は、武装の換装など、ほぼ「さわかぜ」と同じ仕様で仕上げてあります。最後に艦番号「162」を貼付して、出来上がり。
この艦番号、決定までに少し紆余曲折がありました。
と言うのも、「いそかぜ」については原作中に「183」と言う艦番号が明記されているのですが、「うらかぜ」については、艦番号に関する記述はありません(少なくとも、私が読みこんが限りでは。もしどこかに記載があったら、是非お知らせ下さい)
そこで、「たちかぜ」級の4番艦であれば、本来は艦番号「171」が付与されるべきなのですが、この番号は実際には、すでに次級「はたかぜ」級DDGのネームシップ「はたかぜ」に付与されています。その後はミサイル護衛艦の番号は最新型の「まや」級の「はぐろ」の「180」まで、すべていっぱいで、さらにその後は181から184までDDHの「ひゅうが」級、「いずも」級に付与されていて、空きがありません。(そう言う意味では小説版「亡国のイージス」の「いそかぜ」の183番も、実際にはDDH「いずも」の艦番号になってはいるのですが)
止むを得ず、「うらかぜ」の就役時点ではすでに退役していたであろう防空担当護衛艦の番号を、と言うことで、初代「あきづき」級の2番艦「てるづき」(1981年、特務艦籍に変更 この時点で、DD-162からASU-7012に艦番号を変更)の番号をいただいた、と言うわけです。「うらかぜ」の前の「たちかぜ」級3番艦の「さわかぜ」の就役が1983年ですので、少なくとも「うらかぜ」の就役はそれ以降と想定できますので、なんとか辻褄は合うかと。(余談ですが、前述の「いそかぜ」の項でも触れましたが、映画版「空母いぶき」の「いそかぜ」は初代「あきづき」の艦番号「161」をもらっています)
と言うことで、少し苦労しましたが、艦番号は「162」に決定。
第65護衛隊(「いそかぜ」(DDG-183), 「うらかぜ」(DDG-162))
(直下の写真は、第65護衛隊の2隻。手前:「うらかぜ」(DDG-162) と奥:ミニ・イージスシステム搭載艦に改装後の「いそかぜ」(DDG-183))
(直下の写真:参考までにターターシステムからイージスシステムへの換装後の「いそかぜ」(DDG-183)。「はたかぜ」級DDGをベースに、艦橋上部にミニ・イージスシステム用のドームを追加。主砲をオート・メララ製の54口径コンパット砲に換装、併せて、アスロック・ランチャー設置箇所に、16セルのVLSを設置して即応性を高めるなどの工夫があります)
と言うことで、第二世代ミサイル護衛艦「たちかぜ」級4隻(一隻は架空艦です)が完成しました。
(直下の写真:DDG第二世代たちかぜ級の揃い踏み。手前から「たちかぜ」「あさかぜ」「さわかぜ」そして架空艦「うらかぜ」の順)
海上自衛隊の艦隊防空担当艦の系譜(160番台艦の一覧)
ちょっと良い機会なので、前述の「うらかぜ」の艦番号をどのように決めたかの経緯説明の話の流れで、艦番号絡みの話を少し。
海上自衛隊の護衛艦のうち、護衛隊群等の艦隊防空の役割を担う艦には、従来から160番台(のちには170番台から180番へ)の艦番号が 付与されてきています。今回は、イージス艦以前の防空担当の護衛艦が、ほぼほぼ揃ってきたので、ご紹介しておきます。
DD-161「あきづき」(初代)/DD-162「てるづき」(初代)
海上自衛隊の護衛艦として初めて2000トンを超えた「あきづき」級護衛艦のネームシップ。5インチ単装速射砲3基と3インチ連装速射砲(スーパーラピッド)を装備し、高い対空戦闘能力を持っていました。
「あきづき」「てるづき」共に、旗艦装備を保有しており、護衛艦隊、護衛隊群の旗艦任務につくことが多かったと言われています。
DDG -162「うらかぜ」
第二世代ミサイル護衛艦「たちかぜ」級の4番艦(架空)。
ミニ・イージスシステム搭載護衛艦「いそかぜ」(DDG-183)と第65護衛隊を組んだことは、つとに有名。「亡国のイージス」事件で、僚艦「いそかぜ」によって撃沈されてしまいます。
DDG-163「あまつかぜ」
DD-164「たかつき」
多目的護衛艦「たかつき」級のネームシップ。強力な54口径5インチ砲を2基装備し、ミサイル護衛艦の防空機能を補完する役割をになっていた。装備近代化のFRAM改装後の姿。艦後部にCIWSを装備していますが、実際にはCIWSは「きくづき」のみ装備し、「たかつき」は装備しませんでした。
DD-165「きくづき」
多目的護衛艦「たかつき」級の2番艦。装備近代化のFRAM改装後の姿。後部主砲と、Dash格納庫を撤去して、対艦ミサイル、シースパロー、CIWSなどを搭載し、ミサイル化対応を促進し、艦齢延長が図られました。ヘリコプターの搭載能力を除けば、ほぼ「はつゆき」級汎用護衛艦に匹敵する戦力に。
DD-166「もちづき」
多目的護衛艦「たかつき」級の3番艦。本級の3番艦、4番艦には、FRAM改装は行われませんでした。
DDG -166「もちづき」架空改装艦
「もちづき」は、FRAM改装に代えて、DDG化の改装が行われた、と言う想定です。海上自衛隊初のDDG「あまつかぜ」の就役が 1965年。第二世代DDGの「たちかぜ」級の就役が1976年。この間、「あまつかぜ」は唯一のDDGであったわけで、ターター・システムの複数艦での運用データを得るためにも、この空白を埋めるために、1967年から就役の始まった「たかつき」級の1隻が早々にDDGへ改装・転用された、と言うカバーストーリーで製作されています。
少し制作の裏話を。
当初、艦後部のイルミネーターの後方に2番主砲を残していたのですが、Mk13ミサイル発射機とCIWSをその後ろに追加すると、2基のイルミネーターの配置に余裕がなく、併せてあまりにも艦後部が荷重になるように思われ、2番主砲の設置を断念しました。
その上で、少しイルミネーターの間隔に余裕を持たせ、Mk13対空ミサイル発射機をDASH無人対潜攻撃ヘリコプター格納庫上に設置、DASHの運用甲板であった後甲板にCIWSを設置、と言う配置にしました。CIWSの射界を広く持たせるためにはMk13とCIWSの配置を逆に、とも考えたのですが、Mk13の下に収納されるミサイル弾庫を考慮すると、この順序が良いのではないかと言う結論です。なんとなく、DASHの格納庫をそのままに、と言う状況も活かせたような気もしています。
僚艦「あまつかぜ」と護衛隊を組む「もちづき」
その後、「うらかぜ」と一時は護衛隊を組むことも。(おお、架空艦での護衛隊編成)
DD-167「ながつき」
DDGへの改装も検討されたが、予算上捻出できず断念、と言う設定です。ほぼ就役時の姿を残しています。
DDG-168「たちかぜ」
海上自衛隊、第二世代のミサイル護衛艦「たちかぜ」級のネームシップ。1998年からは護衛艦隊旗艦を務めたことも。
DDG-169「あさかぜ」
「たちかぜ」級の2番艦。
DDG-170「さわかぜ」
「たちかぜ」級の3番艦。本艦から、アスロックの自動装填機構が導入されました。アスロック・アンチャーの位置と艦橋基部の形状の少し異なります。
DDG-171「はたかぜ」
海上自衛隊のミサイル護衛艦としては第三世代「はたかぜ」級のネームシップ。イージスシステム以前の対空誘導ミサイル駆逐艦としては最終世代に属し、その頂点とも言われることもあります。「まや」級の就役で、そろそろ練習艦籍に移管されるかも。
DDG-172「しまかぜ」
第三世代ミサイル護衛艦「はたかぜ」級の2番艦。
DDG-183「いそかぜ」
第三世代ミサイル護衛艦「はたかぜ」級の3番艦。ミニ・イージスシステム搭載艦への改装が行われた。直下の写真は、改装後の姿。改装再就役直後に「亡国のイージス」事件の舞台となり、失われた。
事件直前の第65護衛隊の2隻。手前:「うらかぜ」(DDG-162) と奥:ミニ・イージスシステム搭載艦に改装後の「いそかぜ」(DDG-183)。
と言うことで、少し後半、取り止めのない一覧になりましたが、今日はここまで。
改めて一覧すると、よくみると、160番台の船は、もう一隻も現役に残っていないのですね。「たかつき」級や「たちかぜ」級がもう残っていないなんて、改めて、時の流れを感じます。
付録:試験艦「あすか」
その名の通り、海上自衛隊の様々な装備を試験する目的で建造された船です。
モデルは、これまで時折登場していただいている幕之内弁当三次元造形の作品で、SFD素材による、ディテイルまで再現性の高いモデルです。
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Desktop Fleetと言う非常に充実したラインナップをお持ちのブランドを展開されているのですが、筆者にとって残念なことに、その主力スケールは、1:1800あるいは1:2000で、1:1250スケールは、今のところラインナップ充実のスコープには、あまりいれていらっしゃらないようなのです。
直下の写真は、以前にご紹介した Desktop Fleetさんの数少ない1:1250スケールの海上自衛艦、試験艦「あすか」の下地処理後の姿。
このモデルの艦橋上にあるミニ・イージスシステムのドームは、当ブログでご紹介したイージス護衛艦「いそかぜ」三態のうち、「亡国のイージス」小説版の第一形態「いそかぜ」の艦橋上部に追加された「イージスシステムドーム」に転用されました。
そして直下が仕上がりの写真。
さらに艦橋前には新アスロック運用試験用のVLSや、おそらく12式地対艦誘導弾の艦載化に向けての試験用発射キャニスターが作り込まれています。
実はこの船、文字通り「試験艦」なので、実戦等には投入されないはずなのですが、私の記憶では、随分以前の話ではあるのですが、大石英司さんの小説(「環太平洋戦争」だったかな、「アジア覇権戦争」だったかな、いずれにせよかなり以前の作品だったかと)で、海上自衛隊がその性格上、表立って介入できない周辺有事に、試験中の先進の装備を活用して、こっそり介入するベースになる、と言うような話があったような・・・。その時に、海上自衛隊には面白い船があるんだなあ、と強い関心を持った記憶があります。
3Dプリンティングモデルの紹介は、今回でひと段落つきました。実は後、米海軍のアーレイバーク級を残しているのですが、こちらはもう少し情報を貯めて、米海軍、としてご紹介できれば、と考えています。