Austro-Hungarian Navy (KUK: Kaiserliche und Konigliche Kriegsmarine) /オーストリア=ハンガリー帝国海軍
ご紹介しているモデル
前弩級戦艦:3クラス
準弩級戦艦:1クラス
弩級戦艦:1クラス
超弩級戦艦:1クラス(未成)
Pre-Dreadnought /Semi-Dreadnought Era
19世紀、あるいは20世紀初頭の列強のうち、オーストリア=ハンガリー帝国ほど、我々日本人との関わりが見出しにくい存在はないであろう。この帝国は、基本、内陸の大国であった。その海軍はアドリア海、その延長として地中海での行動を想定して設計されている。
仮想敵は主にイタリア海軍、あるいはトルコ海軍であり、この両大国との境界警備、あるいは境界域での紛争への対処がその主要な任務と考えていい。
その行動領域であるアドリア海には多くの島が連なり、狭水路の多くあるところから、比較的小振りな艦体と、紛争現場でいち早く主導権を取るべく機動性、すなわち速力が求められた。
近代戦艦:前弩級戦艦 pre-Dreadnought battleship
Monarch-class coastal defense ship - Wikipedia
(1898-, 5878t, 15.5knot, 9in *2*2, 3 ships)
5500トンクラスの海防戦艦である。24センチ砲4門を主砲とし、17.5ノットの快速を発揮する。
Habsburg-class battleship - Wikipedia
(1902-, 8232t, 19knot, 9.4in *2+1, 3 ships)
アドリア海は地中海の奥深く、基本的には静かな海ではあるが、多くの島が点在し、水路が狭い。従ってこの環境に適合した比較的小ぶりな艦型が求められた。本級は8,300トンの船体に、24センチ砲3門を搭載している。(前部連装砲塔、後部単装砲塔)
19,5ノットの当時としては高速を発揮した。
Erzherzog Karl-class battleship - Wikipedia
(1906-, 10472t, 20.5knot, 9.4in *2*2, 3 ships)
前級を拡大し、11,000トン級の船体を持ち、主砲は前級と同じ口径の24センチ砲を踏襲し、一門を増やし連装砲塔2基4門とした。さらに副砲の口径を強化し、19センチとし、12門を単装で舷側に搭載した。速力は20ノットを発揮する高速艦である。
強化型近代戦艦:準弩級戦艦 semi-Dreadnought battleship
Radetzky-class battleship - Wikipedia
(1910-, 14508t, 20.5knot, 12in *2*2 & 9.4in *2*4, 3 ships)
アドリア海をその主要な行動範囲と想定するために、オーストリア・ハンガリー帝国海軍の戦艦は、高速を有する反面、他の列強の戦艦に比較して艦型が小さく、口径の小さな主砲を有しており、やや非力さを感じさせることは否めなかった。
本級は、それを一新し、諸列強の主力艦と遜色のない15,000トン級の船体に、30.5センチ砲を主砲とし、さらに副砲の口径を24センチに強化、これを連装砲塔4基に収めた強化型近代戦艦(準弩級戦艦)である。さらに速力は、従来の優速を保持する20.5ノットを発揮する実に有力な艦となっている。
Dreadnought /Super-Dreadnought Era (around WW1)
オーストリア=ハンガリー帝国は、アドリア海に僅かに海を持つ、基本内陸国である。その海軍は、アドリア海の奥深くに配置されていた。開戦時には1クラス4隻の弩級戦艦を保有していたが、背負い式の砲塔配置、3連装主砲塔の採用など、設計は大変先進的なものだった。大戦中に超弩級戦艦の保有を計画したが、未成に終わった。
弩級戦艦 Dreadnought battleship
Tegetthoff-class battleship - Wikipedia
(1912-、21,730, 20.3knot, 12in *3*4, 4 ships) (126mm in 1:1250)
オーストリア=ハンガリー海軍初の弩級戦艦である。主砲を三連装砲塔に搭載し、かつ背負式配置を採用して首尾線上に配置している等、先進的な設計である。
超弩級戦艦(未成艦のみ)Super-Dreadnought battleship
Ersatz Monarch-class battleship - Wikipedia (projected)
(projected、24,500t, 21knot, 14in *3*2 + 14in *2*2, 4 ships planned)
オーストリア=ハンガリー海軍が計画した超弩級戦艦。上記のスペックはオリジナル案である。
前級のテゲトフ級は三連装砲塔の採用で艦型をコンパクトにまとめるなど、先進性が評価されていたが、一方で、三連装砲塔には実は発砲時の強烈な爆風や、作動不良など、いくつかの課題があったとされている。
そのため、本級ではドイツ弩級戦艦の砲塔配置の採用が検討されていた、とも言われているのである。そうなれば連装砲塔5基を装備したデザインになったいたかもしれない。下の写真は、当時のドイツ戦艦ケーニヒ級の主砲塔配置案を採用した想定でのその別配置案。
いずれにせよ、計画は第一次世界大戦の勃発によりキャンセルされた。
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