Encyclopedia of 1:1250 scale model ship

my collection of 1:1250 scale modelships

French Navy /フランス海軍

ご紹介しているモデル

弩級戦艦:10クラス

弩級戦艦:2クラス

装甲巡洋艦:11クラス

弩級戦艦:1クラス

超弩級戦艦:3クラス(未成2クラスを含む)

新戦艦:4クラス(未成2クラスを含む)

 

 

Pre-Dreadnought /Semi-Dreadnought Era

フランス海軍は、実に多くの近代戦艦を建造している。その形式は12級を数えるが建造された戦艦数は23隻にすぎない。多くが同型艦を持たぬ、いわ試行錯誤であったと言ってもいいかもしれない。

加えて「新生学派」(ジューヌ・エコール)と呼ばれる、ある意味では、いかにも議論の国フランスらしい、「大艦巨砲主義」の対局をゆく海軍戦略の一派の台頭による戦艦建造への予算制約、建造条件の設定など、いわば戦艦にとって「暗黒時代」を経て、迷走の続く時期であった。

確かにこの時期は、蒸気装甲艦の出現後、初めて日清、日露での実戦が行われ、多くの戦略的、戦術的データがあらわれた時期でもあり、その中で多くの仮説の具現化によってこのような現象が発生する必然があったと言えるかもしれない。

が、経緯はどうあれ、日本海軍が日清・日露で実証し、その後、ドイツやイギリス、日本などが目指した同一口径の戦隊による艦隊決戦の思想を進めるには、フランス海軍で生起したこの現象は不適合の度合いが強いと言わざるを得ず、次第に世界の海軍力の、特に主力艦における装備と戦術の組織的整備の趨勢から、フランスは脱落する。

 

一方で、その設計は常にユニークで、例えば他国に先駆けた副砲の砲塔化、あるいは四連装砲塔の実現など、その技術的な発展には見るべきものが、この後も多い。

 

一転して、艦船模型的な視点で見ると、宝箱のような海軍である。実にコレクター魂を揺さぶられる。

例えば、1891年から就役したシャルル・マルテル準級(準級:緩やかなグループ、ということだろうか)には5隻の戦艦が属しているとされるが、排水量・備砲・速力などは似ているものの、デザイナーが異なる、一種の競争試作のような様相を呈している。

永年の仮想敵であったイギリス海軍は、既にほぼ同時期に、常に同型艦を多数揃え、戦隊での統一指揮下における戦闘運用を構想するという設計思想を確立しており、そうした統一構想を持たないフランス艦隊を、「サンプル艦隊」と揶揄したが、まさにこの「サンプル」感覚から、この優美な(筆者にとっては!?)艦船群が生み出されたと、感謝したいと思うのである。 

 

近代戦艦:前弩級戦艦 pre-Dreadnought battleship

ブレニュス (戦艦) - Wikipedia

en.wikipedia.org

(1891-, 11,190t, 18knot, 13.4in *2*1+11,97mm in 1:1250 by WTJ )

f:id:fw688i:20190224122716j:image

「新生学派」時代(ジュール・エコール)における、最初の戦艦 である。

13.4インチ(34センチ)砲を主砲とし、前部に連装砲塔、後部に単装砲塔の形で搭載した。全周装甲の連装砲塔や、16センチ速射砲を単装砲塔形式で登載、あるいは新型のボイラー採用等、新機軸を多数盛り込んだ意欲的な設計であった。当時としては18ノットの高速を発揮した。

 

シャルル・マルテル準級 

大鑑巨砲に懐疑的な「新生学派」支配下のフランス海軍は、次世代の主力艦に明確な構想を見出せないままに、主として英海軍への対抗上、建艦計画をスタートさせた。上記のブレニュスとほぼ平行して、シャルル・マルテル準級が建造される。これは、設計の基本スペックを規定し、すなわち排水量(11,500t ±)、搭載砲(30.5cm * 2+27cm *2)、速力(17.5 knot ±)などのスペックを与え、設計者・造船所による一種の競争試作のような様相で建造されたグループである。

シャルル・マルテル、カルノー、ジョーレギベリ、マッセナ、ブーヴェの5隻が属している。いずれも主兵装を菱形配置とし、12インチ(30.5センチ)砲2門を艦の前後に、10.8インチ(27センチ)砲2門を艦の左右に単装砲等で登載している。

f:id:fw688i:20190224124226j:image

 (シャルル・マルテル:左上段、カーノウ:左下段、マッセナ:右上段、ブーヴェ:右中段、ジョーレギベリ:右下段) 

注:それぞれの塗装は筆者のオリジナル塗装です。この様な迷彩(?)塗装の記録はありません。「ふざけるな!」<<<お叱りごもっともです。ご容赦ください)

 

シャルル・マルテル (戦艦) - Wikipedia

en.wikipedia.org

(1897, 11,639t, 18knot, 12in *2 + 10.8 *2   94mm in 1:1250, WTJ)  

f:id:fw688i:20190119180852j:image

ブレスト海軍造船所が建造した。美しいタンブルホーム型船体を持つ艦である。 副砲を単装砲塔形式で装備している。

 

カルノー (戦艦) - Wikipedia

en.wikipedia.org

(1897, 11,954t, 17.8knot, 12in *2 + 10.8in *2, 98mm in 1:1250, WTJ)  

f:id:fw688i:20190224122802j:image

トゥーロン海軍造船所が建造した。 

 

ジョーレギベリ (戦艦) - Wikipedia

en.wikipedia.org

(1897, 11,818t, 17knot, 12in *2 + 10.8 *2   89mm in 1:1250, WTJ)  

f:id:fw688i:20190119181158j:image

設計者はアントワーヌ・ジャン・アマブル・ラガヌ、ラ・セーヌ造船所で建造された。本艦のみ副砲を連装砲塔で装備している。連装の副砲は前部艦橋と後部艦橋のそれぞれ脇の上甲板状に配置され、広い射界を与えられた。

設計者のラガヌは、本艦の設計以前にフランス戦艦「マルソー」(菱形主砲配置の先駆的存在)、やスペイン戦艦「ペラーヨ」を手がけたベテランで、この後、我々にも馴染みのあるロシア太平洋艦隊旗艦の「ツェザレヴィッチ」の設計を手がけることになる。

 

マッセナ (戦艦) - Wikipedia

en.wikipedia.org

(1896, 11,735t, 17knot, 12in *2 + 10.8in *2   94mm in 1:1250, WTJ)  

f:id:fw688i:20190119181305j:image

設計者はルイス・マリー・アンヌ・ド・ビュシィで、世界初の装甲巡洋艦である「デュピュイ・ド・ローム」の設計者でもある。ロアール造船所で建造された。世界初の3軸推進の戦艦となった。

完成後は、設計に対し重量超過となり、肝心の装甲帯が水中に没し、かつ極端なタンブルホーム形状から、安定性に問題があったとされている。

 

ブーヴェ (戦艦) - Wikipedia

(1898, 12,007t, 18knot, 12in *2 + 10.8in *2  96mm in 1:1250 , WTJ) 

f:id:fw688i:20190119181322j:image

シャルル・マルテル準級の最終艦である。ロリアン造船所で建造された。

寸法、排水量とも同準級の他艦を少し上回るサイズとなったが、最新式のハーヴェイ・ニッケル鋼を装甲に用いるなど、同準級の中では最もバランスの取れた艦となったとされている。

 

シャルルマーニュ級戦艦 - Wikipedia

en.wikipedia.org

シャルル・マルテル準級でフランス海軍が主力艦のあるべき姿を瞑想(迷走?)している間に、英海軍は近代戦艦の標準を見出し、これの量産に入ろうとしていた。この量産には、同一口径の巨砲を数多く揃え、これらを統一指揮する戦術的な要件も含んでいた。

これに対応するために、フランス海軍が建造したのが、シャルルマーニュ級からシュフランに至る戦艦群である。

(1899-, 11275t, 18knot, 12in *2*2, 3 ships   94mm in 1:1250, WTJ)

f:id:fw688i:20181202160749j:image

本級の建造直前まで、上記のシャルル・マルテル準級の迷走の中に、フランス海軍はあったが、そのような経緯を断ち切って本級は生まれた。背景には英独の建艦競争による装備充実があったと思われる。

いたって標準的な外観に、標準的な近代戦艦の要件をまとめ上げた、

 

イエナ (戦艦) - Wikipedia

en.wikipedia.org

(1902-, 11688t, 18knot, 12in *2*2   100mm in 1:1250,  Hai)

f:id:fw688i:20181215175610j:image

前級シャルルマーニュの改良型として1隻建造された。改良点は副砲と装甲の強化であった。

 

シュフラン (戦艦) - Wikipedia

en.wikipedia.org

(1904-, 12432t, 17knot, 12in *2*2   99mm in 1:1250, WTJ)

 f:id:fw688i:20190119182242j:image

シャルルマーニュ級の更なる改良型として、1隻のみ建造された。 副砲を単装砲塔に収め、両舷に3基づつ配置している。のちのロシア戦艦ツェザレヴィッチの設計にも影響があったのではないかと思われる。

 

レピュブリク級戦艦 - Wikipedia*

en.wikipedia.org

(1906-, 14605t, 19knot, 12in *2*2, 2 ships  103mm in 1:1250, Navis)

f:id:fw688i:20181104152351j:image

これまでフランス戦艦には、排水量に制限がかけられていたが、本級ではそれが撤廃される。設計は日本でも「三景艦」で馴染みのある、エミール・ベルタンで、これまでの戦艦とは異なる外観をしている。連装砲塔に収められた主砲、一部の副砲も連装砲塔に収めるなど、フランス艦のいくつかの特徴が見られる。

が、就役時には、すでにドレッドノートが就役しており、いわゆる旧式新造艦のラベルを貼られることになった。

 

強化型近代戦艦:準弩級戦艦 semi-Dreadnought battleship

リベルテ級戦艦 - Wikipedia*

en.wikipedia.org

(1908-, 14860t, 19knot, 12in *2*2 & 7.6*10, 4 ships   103mm in 1:1250, Navis)

f:id:fw688i:20181104152406j:image

副砲として19.4センチ単装砲を10基保有している、いわゆる強化型近代戦艦(準弩級戦艦)である。外観は、前級とほぼ変わらず副砲の口径、数、配置が変わった。

本級も前級同様、就役時には、すでにドレッドノートが就役しており、いわゆる旧式新造艦であった。

 

ダントン級戦艦 - Wikipedia*

en.wikipedia.org

(1911-, 18754t 19knot, 12in *2*2 & 9.4in *2*6, 6 ships   116mm in 1:1250), Navis

f:id:fw688i:20181104152422j:image

前級からさらに艦体を大型化し、副砲口径を前級の19.4センチから、24センチの強化した。この副砲を連装砲塔6基に収めている、いわゆる強化型近代戦艦(準弩級戦艦)である。

本級も就役時には、イギリスはもちろん、ドイツ、アメリカも弩級戦艦を次々に就役させており、旧式新造艦 として就役せざるを得なかった。

 

 

装甲巡洋艦 Armored Cruiser

中口径砲の発達に伴い、通商破壊(あるいは通商破壊艦からの商船護衛)を主任務とする巡洋艦の防御力強化の必要性から生まれた艦種で、日本海軍などに代表される、戦艦戦力の補助、いわばミニ戦艦的役割の艦隊決戦戦力としての「装甲巡洋艦」とは、一線を画し、速力と航続力を重視した設計になっている。

巡洋戦艦登場までの約20年間に、11クラス、25隻を建造した。

 

フランスは世界初の装甲巡洋艦を世に送り出した、いわばこの分野の家元である。

その系譜は大雑把に三つに区分できると考える。

 

創設:防護巡洋艦を凌駕する戦闘艦の開発

すなわち、世界初の装甲巡洋艦の栄誉を担うデピュイ・ド・ローム同型艦なし)、その縮小量産型のアミラル・シャルネ級、その強化版のポテュオ (同型艦なし)が第一期のグループで、速射砲の発達により全盛を極めた防護巡洋艦を凌駕し、通商破壊戦を実施する、あるいは通商破壊戦を防止する目的で建造された。

4,000トンから6,000トン程度の中型艦艇で、いずれも流麗なタンブルホーム形式の船体を持っている。 

 

 

デュピュイ・ド・ローム (装甲巡洋艦) - Wikipedia

en.wikipedia.org

(1895: 6,676t 19.7knot, 7.6in *2 + 6.4in *6 92mm in 1:1250, WTJ)

世界初の装甲巡洋艦の栄誉を担う艦である。

f:id:fw688i:20190224122933j:image

フランス海軍は、速射砲の性能向上に伴う戦闘艦の攻撃力の格段の強化に伴い、これに対抗し船団護衛、もしくは通商破壊をその主任務とする巡洋艦に、近接戦闘での戦闘能力を喪失し難い能力を与えるべく、舷側装甲を追加した。これが装甲巡洋艦である。

19.4センチ速射砲2基と16.3センチ速射砲8基を装備し、19.7ノットの速力を出すことができた。

性能もさることながら、そのデザインの何と優美な事か。

 

アミラル・シャルネ級装甲巡洋艦 - Wikipedia

en.wikipedia.org

(1895, 4,748t, 18knot, 7.6in *2 + 5.5in *6, 4 ships, 89mm 9n 1:1250 WTJ)

f:id:fw688i:20190224122855j:image

前級を小型化し、量産したもので、 やや航続距離が短い。

 

ポテュオ (装甲巡洋艦) - Wikipedia

en.wikipedia.org

(1897, 5,374t, 19knot, 7.6in*2 + 5.5in *10, 93mm in 1:1250, Hai)

f:id:fw688i:20190113183049j:image

フランス海軍の3クラス目の装甲巡洋艦である。フランス艦の象徴ともいうべきタンブルホーム船体を採用した最後の装甲巡洋艦である。 

舷側装甲をやや薄くし、航洋性を高めている。

 

発展期:汎用戦闘艦への発展

第二期のグループは外洋での通商破壊活動(あるいはその防御)を行えるように大型の船体を持ったグループで、ジャンヌ・ダルク同型艦なし)、その縮小量産型であるゲイドン級、植民地警備に主題をおいて開発されたデュプレクス級、ゲイドン級の改良版として計画されたアミラル・オーブ級がこの群に属している。

通商破壊活動から艦隊直衛まで幅広い任務への適性を模索した時期の艦と言って良いであろう。

魅力的なタンブルホーム形式の船体を廃止し、高い乾舷を持ち、外洋での凌波性の良好さを狙った艦型となった。

 

ジャンヌ・ダルク (装甲巡洋艦) - Wikipedia

en.wikipedia.org

(1899, 11,445t, 21knot, 7.6in *2 + 5.5in *14, 116mm in 1:1250, WTJ)

f:id:fw688i:20190224123018j:image

艦型を一気に大型化し、高速と大航続距離を兼ね備えた艦となった。以降のフランス海軍の装甲巡洋艦の標準的な設計となった。

 

ゲイドン級装甲巡洋艦 - Wikipedia

en.wikipedia.org

(1902-, 9,516t, 21.4knot, 7.6in *2 + 6.5in *8, 3 ships、101mm in 1:1250/ Hai社製改造)

f:id:fw688i:20190127150826j:image

前級をやや縮小し、汎用装甲巡洋艦として量産したものである。副砲口径を再び6.5インチとした。

(迷彩は、筆者のオリジナルです。ごめんなさい)

 

デュプレクス級装甲巡洋艦 - Wikipedia

en.wikipedia.org

(1904-, 7,600t, 20knot, 6.5in *2*4, 3 ships   103mm in 1:1250, WTJ)

f:id:fw688i:20190224123044j:image

植民地警備等、遣外任務用に設計されたクラスで、前級よりもやや小型である。6.5インチ(16センチ)砲を主砲とし、連装砲塔4基として搭載している。

 

アミラル・オーブ級装甲巡洋艦 - Wikipedia

en.wikipedia.org

(1904-, 9,534t, 21knot, 7.6in *2+6.5in *8, 5 ships   113mm in 1:1250, WTJ)

f:id:fw688i:20190224123104j:image

ゲイドン級の改良型、主として防御能力を向上した。6.5インチ(16センチ)副砲の半数を砲塔形式で装備している。 

 

展開期:補助主力艦へ

第三期の装甲巡洋艦のグループは、砲力と防御力を前汎用巡洋艦のグループから格段に強化し、艦隊主力艦を補助する、いわゆるミニ戦艦的な運用を意識したものになった。

このグループには、レオン・ガンベッタ級、ジュール・ミシュレ、エルネスト・ルナン、そしてエドガー・キーネ級が入っている。いずれも12,000トンを超える大型艦である。

 

レオン・ガンベッタ級装甲巡洋艦 - Wikipedia

en.wikipedia.org

(1903, 12,400t, 22.5knot, 7.6in *2*2 + 6.5in *2*6 +1*4, 3 ships  115mm in 1:1250, Navis)

f:id:fw688i:20190119182445j:image

主砲を連装砲塔で艦の前後の搭載し、あわせて副砲も 連装砲塔の形式で左右両舷に各3基ずつ、さらにケースメイト形式で両舷各2基づつを搭載し、砲力を前級の2倍に強化した。

 

ジュール・ミシュレ (装甲巡洋艦) - Wikipedia

en.wikipedia.org

(1906, 13,105t, 22.5knot, 7.6in *2*2 +6.5in *12, 115mm in 1:1250, Hai)

f:id:fw688i:20190203172154j:image

前級の準同型艦である。主砲を新型の強力なものに改め、副砲の搭載数をやや減らし、あわせて速力強化を狙った。

 

エルネスト・ルナン (装甲巡洋艦) - Wikipedia

en.wikipedia.org

 (1909, 13,644t, 23knot, 7.6in *2*2 +6.5in *12)

f:id:fw688i:20190217185656j:image

前級同様、速力向上を狙い、やや船体長を延長した。

 

エドガー・キーネ級装甲巡洋艦 - Wikipedia

en.wikipedia.org

(1911-, 13,847t, 23knot, 7.6in *2*2 +7.6in *10, 2 ships. 124mm in 1:1250 3D printing model by Master of Miy)f:id:fw688i:20190127150911j:image

フランス海軍が建造した最後の装甲巡洋艦である。当初、前級と同型として起工されたが、建造中に副砲を廃し、搭載砲を7.6インチ(19センチ)主砲14門とした。

 

Dreadnought /Super-Dreadnought Era

かつてはイギリスと並ぶ世界の2大海軍国の名をほしいままにしていたフランスだったが、列強の近代戦艦の開発時期に「新生学派」と言われる大艦巨砲主義の対局をいく派閥が力を持ち、以降、建艦政策において長きにわたり迷走の時代を迎え、主力艦の建造競争からは脱落した。

第一次世界大戦開戦時は弩級戦艦3隻を保有し、 1隻が建造中であった。

 

弩級戦艦  Dreadnought battleship

クールベ級戦艦 - Wikipedia

en.wikipedia.org

(1913-, 23,475t, 21knot, 12in *2*6, 4 ships)(128mm in 1:1250, Navis)

f:id:fw688i:20181125133323j:image

フランス初の弩級戦艦。前後に背負い式の砲塔配置を行い、前後方向に8射線、片舷に対し10門の射線を確保している。 

 

超弩級戦艦 Super-Dreadnought battleship

プロヴァンス級戦艦 - Wikipedia

en.wikipedia.org

(1915-, 24,000t, 20knot, 13.4in *2*5, 3 ships)(134mm in 1:1250, Neptun)

f:id:fw688i:20190331135555j:image

34センチ主砲を連装砲塔5基に装備し、首尾線上の配置とした超弩級戦艦。上の写真は新造時の写真。

直下の写真は大改装後の外観を示している。

f:id:fw688i:20190106171251j:plain

直下の写真:3番艦ロレーヌのみ、3番主砲塔を水上機用のカタパルトと格納庫に換装した。***「通りすがり」さんからご指摘をいただきました。ありがとうございました。

f:id:fw688i:20181125133835j:plain

 

ノルマンディー級戦艦 - Wikipedia

en.wikipedia.org

(Planned,  25,230t, 21knot, 13.4in *4*3, 5 ships planned)(141mm in 1:1250, Navis)

f:id:fw688i:20181125133815j:plain

主砲塔を4連装 とした先進的な設計である。以降、新造されたフランス戦艦はこの4連装砲塔を継承していくことになる。

 

リヨン級戦艦 - Wikipedia

en.wikipedia.org

(Planned, 29,600t, 23knot, 13.4in *4*4, 4 ships planned)(155mm in 1:1250)

f:id:fw688i:20181215175158j:image

 ノルマンディー級の拡大強化版として設計された。4連装砲塔を1基増やし、34センチ主砲を16門搭載した強力な艦になる予定であった。

 

新戦艦の時代

ダンケルク級戦艦 - Wikipedia

en.wikipedia.org

本級の建造に当たっては、確かに前述のドイッチュラント級装甲艦への即効性のある対抗策としての側面も強かったが、第一次世界大戦前のプロヴァンス級以来、久々の新造戦艦の建造にあたり、攻撃力、防御力、機動力をどのようにバランスをとりながら具現化するかと言う命題に対する、次期本格主力艦建造への実験艦的な性格が強い。

武装としては、新設計の13インチ(33センチ)砲を、未完に終わったノルマンディー級戦艦以来のフランス海軍悲願の4連装砲塔2基に、艦首部に集中的に搭載し、あわせて発展著しい航空機の脅威に備えて、世界初となる水上戦闘にも対空戦闘にも使用できる13センチ両用砲16門を、連装砲塔2基、4連装砲塔3基の形で搭載した。

艦種名に正式に「高速戦艦」の分類が割り当てられ、公称30ノット、実際には31.5ノットの高速を発揮することができた。機関の搭載にも新基軸が見られ、シフト配置を採用することにより、被弾時の生存性を高めるなど、種々の新機軸への取り組みが見られた。

(1937-, 26,500t, 31.5knot, 13in *4*2, 2ships, 170mm in 1:1250 by Hansa)

f:id:fw688i:20190331143620j:image

本艦は過渡期的なやや小ぶりの船体を除けば(それでもフランス海軍がそれまでに建造した最大の戦艦である)、高い機動性、集中防御の思想、対空戦闘への対応力、ダメージコントロールへの新たな工夫など、それまでの戦艦の概念を一新するものであり、「新戦艦」の幕開けとなった戦艦であると言っていいであろう。

 

本級の登場は諸国海軍の戦艦整備政策に大きな影響を与え、前回述べたようにドイツ海軍はドイッチュラント級4番艦、5番艦を、30,000トンを超える本格的なシャルンホルスト級戦艦として設計変更の上建造した。

 

リシュリュー級戦艦 - Wikipedia

en.wikipedia

ダンケルク級の建造によりイタリア海軍が15インチ砲装備の高速新型戦艦を建造を開始し、また英独海軍協定によりヴェルサイユ条約の制約から解放されたドイツ海軍も、シャルンホルスト級戦艦に続き、やはり15インチ砲搭載の新型戦艦を建造するという情報を得るに至り、フランス海軍も新型戦艦の建造に着手した。

基本形は前級ダンケルク級の拡大版であり、主砲口径を15インチに拡大し、これを4連装砲塔2基に、ダンケルク級と同様前甲板に搭載した。この15インチ砲は非常に優秀な砲で、20,000メートル台の砲戦距離ならば、日本海軍が後日建造する大和級を除くすべての戦艦の装甲を打ち抜くことができた。

前級では対艦・対空の両用砲を搭載したが、本級では対空射撃の可能な6インチ砲を採用し、これを3連装砲等3基に搭載した。高角砲としては10センチ砲を連装砲塔で6基搭載した。

また本級では煙突と後檣を合体させたMACK構造が採用されており、その特徴的な主砲配置と合わせて非常に近代的な関係となった。

速力は30ノットを発揮し、4連装砲塔の採用で浮いた重量を防御装甲に回すなど、機動性と攻守を兼ね備えた強力艦となった。

(1940-, 48,180t,  30 knot, 15in *4*2, 2 ships, 197mm in 1:1250 by Hansa)

f:id:fw688i:20190331144107j:image 

 

ガスコーニュ (戦艦) - Wikipedia

https://en.wikipedia.org/wiki/Richelieu-class_battleship#Gascogne

本級はリシュリュー級の改良型である。そのため基本的なスペックはほぼリシュリュー級に準じている。大きな変更点としては、主砲塔の配置をリシュリュー級の前甲板への集中装備から、上部構造の前後への振り分け配置として事である。

この配置の変更については、リシュリュー級の就役後に、同級の真艦尾方向への火力不足への懸念が、運用現場から強力に挙げられたことによるとされている。ガスコーニュ、クレマンソーの2艦が建造された(史実では建造されていません。ご注意を)

(1941-, 48,180t,  30 knot, 15in *4*2, 2 ships, 197mm in 1:1250 by Hansa)

f:id:fw688i:20190413191211j:image
f:id:fw688i:20190413191207j:image

(直上の写真:ガスコーニュ級の2隻:手前:ガスコーニュ、奥:クレマンソー) 

 

アルザス級戦艦 - Wikipedia

en.wikipedia.org

本級はリシュリュー級をタイプシップとして、これを改良・拡大したものである。

特にリシュリュー級以来採用されている1935年型正38センチ砲は非常に優秀な砲で、20,000メートル台の砲戦距離ならば、日本海軍が後日建造する大和級を除くすべての戦艦の装甲を打ち抜くことができると言われていた。

このリシュリュー級以降、フランス海軍自慢の4連装砲塔を、後部甲板に一基追加し、主砲12門を搭載する強力な戦艦となった。

その他の構造的な特徴は、ほぼリシュリュー級を踏襲し、近代的で美しいフォルムを持つ艦であった。

アルザスとノルマンディーの2隻が建造された(史実では建造されていません。ご注意を)。

(1942-, 51,000t, 30 knot, 15in *3*4, 2 ships, 214mm in 1:1250 by Tiny Thingamajigs 3Dprinting model)

f:id:fw688i:20190413191227j:image
f:id:fw688i:20190413191218j:image

(直上の写真:アルザス級の2隻:手前:アルザス、奥:ノルマンディー)

f:id:fw688i:20190413191241j:image

(フランス海軍新戦艦の艦型比較:下から、ダンケルク級リシュリュー級、ガスコーニュ級、アルザス級 艦型の大型化の推移と、主砲等の配置の水位が興味深い)

 

 

下のリンク、フランス海軍の艦船開発史について、大変興味深くまとめていらっしゃいます。

上記の整理についても、大変参考にさせて頂きました。紹介させて頂きます。

フランス艦艇に興味のある方、必読です。

軍艦たちのベル・エポック(前編)

軍艦たちのベル・エポック(後編)

 

 

ブログランキングに参加しました。クリック していただけると励みになります。


艦船ランキング